フィンランドにおける Everyman’s right(自然享受権)vol.1

「自然は誰のものでもない、みんなのもの」

言うのは簡単だけれど、人間社会ができて、土地がお金や権利と絡むようになってから、実現するのはなかなか難しい。

それでも、北欧諸国を中心に、いくつかのヨーロッパの国々では、そこが誰の土地であろうと、すべての人が自由に、自然の中を散策することが許されています。

日本語ではこの権利を「自然享受権」、英語では「Everyman’s right (すべての人の権利) 」と呼びます。

基本的な考え方は万国共通ですが、国によって「ここまではOK」のルールが少しずつ違います。

この記事では、フィンランドについてザックリ紹介します。




「自然はみんなのもの」昔からそうだった。

フィンランドは国土の75%以上を森林が占め、湖の数はおよそ19万。森と湖の国の異名を持つ、言わずと知れた大自然に囲まれた国です。

首都のヘルシンキにも、日本の都会の人の感覚なら、十分に「森」と呼べてしまうような、木々に覆われた場所が多くあり、人々の生活はいつも自然のそばにあります。

森を散策することはフィンランドの人たちにとって、特別なことではありません。平日の夕方にだって、ランニングがてら森の中へ入ります。

そんな住環境ですから「おっと、この線からはSimonenさんの土地か、あぶねあぶね。」みたいなことはめんどくさくて、できればみんなしたくない。

大昔からの慣習に基づき、20世紀以降に法律が定められました。

自然の中にルールは極力なし!

自然環境や地主に危害を与えないことが前提になっています。

それを踏まえていれば、散策だけでなく、自転車、車、スキー、馬で森の中へ入っていっても大丈夫です。

フィンランドの森には、とにかく沢山のきのこやベリーがあり、きのこ狩りやベリー摘みは、フィンランド文化の1つといえます。

もちろん、採集に誰かの許可は要りません。すべて無料で取って食べてOKです。

それぞれの種がどんな場所にあるのかを学び、森の中をさまよいながら探すときの楽しさは、宝探しさながら。面白い形や豊かな味わい、発見の連続で子供心を取り戻せます。

気をつけるべきことは、「自然保護種に指定されているものを取るのは禁止」と、「プライバシー尊重のため、人の家には近づきすぎない」くらいでしょうか。

フィンランドへもし来ることがあったら、保護種と毒キノコの勉強をホテルで軽くしてから、すぐに森へ出かけましょう!

参照記事

VisitFinland.com