外国語を勉強していると「他の言語ではそれに当たる単語がない」って事が多々あります。
言語学習の醍醐味です。
例えばこの醍醐味って日本語はどう英訳したらいいのでしょうか。
The best part of something?
1語の英語はなさそうです。
言語は人と人とのコミュニケーションツール。あらゆる地域・あらゆる時代に表現の必要に迫られる形で一つ一つの言葉は生まれてきました。
イタリア語にはロマンチックな表現が沢山あったり、インドネシア語には暑い国ならではの言葉があるのでしょう。
つまり、言語を学ぶことは地域の生活習慣や文化を学ぶことでもあります。
Kalsarikannit (訳: 自宅でパンツ一丁で酔っ払う)
フィンランド語には最高な単語があります。
kalsarikannit (カルサリカニット) 意味:自宅でパンツ一丁で酔っ払う
多くの家庭で娘がお父さんと距離を置くキッカケですね。
日常のシーンで考えられる限り、人間が最もストレスから解放されてる状態ではないでしょうか。
フィンランド人の友人に聞いたところ”Kalsarit” (下着) と省略して使うこともあり、これも同じ状態を言い表すのに使うそうです。
フィンランドはサウナ発祥の地であり、”Sauna” は世界共通語として定着した唯一のフィンランド語です。
フィンランドでは家にサウナがあるのは普通で、街に公衆サウナ、湖畔にサウナ小屋、寮やアパートに共同サウナがあります。日本人のお風呂・銭湯文化に極めて近い感覚です。
冬のフィンランドは極寒ですが住居の断熱性と暖房設備が非常に発達しており、室内で過ごす時間が圧倒的に多いからこそ、この「パンイチでビール」はオールシーズン行われているのでしょうか。
そんな地域だからこそ “kalsarikannit (カルサリカニット)” という単語は必然的に生まれたのかもしれません。
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