【おすすめ本】受験生の時に衝撃を受けた。「努力しない生き方」

誰しも、今はもう手元にないとしても、読んだ時期をすぐに思い出せるほど記憶に刻み込まれている本が何冊かあると思います。

僕にとってのそんな本を厳選して、僭越ながら【おすすめ本】としてたまに紹介させていただきます。

「努力しない生き方」著:桜井章一

この本とは、浪人していた年に出会いました。なんと御茶ノ水の丸善で手に取った瞬間まで覚えているという、自分でもよく分からない程、この本のことは覚えています。

受験勉強に飽きて本をよく読んでいた頃、自分が自分の意思で手に取る本にすらも飽き、本屋を歩き回っては棚を眺め、本との偶然の出会いを探していた時期がありました。

ある日、目に飛び込んできた「努力しない生き方」というタイトル。毎日受験勉強という努力をコツコツ重ねていた僕の頭をぶん殴るようなタイトル。

著者の櫻井さんのことは全く知らず、著者紹介を見れば「20年間無敗の麻雀代打ちプロ」とありました。麻雀の代打ちの意味もよく分からず「ああ胡散臭いなあ」と思いました。

しかし、どうやら数多く本を出版されている方で、目次を見れば、現代人の生き方に警鐘を鳴らす興味深い内容が並んでいました。

立ち読みするうちに、櫻井さんが説く「人間らしい在り方」は、僕が心の中でまだ言葉にできていなかった違和感を代弁し、それに痛烈に答えを与えているようでした。

以下、特に心に響いた項目を少しだけ抜粋してご紹介します。

■力が入ったら疑え

いわゆる “努力” や “頑張る”と力むのではなく、肩の力をスッと抜いて “工夫” することが大切。

■「得る」ことは「失う」ことである

人生を「足し算」的に考えて送る人は多いが、そのマインドには際限がない。物事をシンプルにするために何かを諦めたり、手放したりすること、つまり引き算的思考こそ、本当に大切なことを浮かび上がらせてくれる。

■絶対を求めない

絶対、と力むと視野が狭くなり、感覚が鈍る。人間の「何となく」という感覚は自分自身でも言語化できてないだけで、無数の経験に裏打ちされており、おぼろげな感覚も的を得ていることがよくある。

■わからない

「わからない」ことをわからないままにすることは悪いことではない。動植物や天体など自然に目を向ければ、今もわからないことのほうが多い。現代人は型や答えを求めすぎる。安易に色々なことに正しさを与える行為はただの捉われているだけである。

櫻井さんの主張は一貫して、頭で考えすぎるのではなく、力を抜いた状態で心や感覚も確かに大切にすることを肯定しています。この世界により多くの説明を与えることで発展してきた文明社会ですが、自然体の持つ良さや強さを失うくらいなら、”普通”も “最新” も迷わず捨てていきましょう。

本が気になった方は、リンクからどうぞ。