半年以上、対面で日本語を話してない。

海外在住歴が長い方からしたら珍しくない(?)かもしれないのだが、ふと奇妙に感じる状態を日々更新し続けている。

気づけば、対面で日本語をもうかれこれ8ヶ月くらい話していない。

長くこちらに住まれている方と夏にお会いしたのが最後、それからは日本人あるいは日本語を流暢に話す人と対面で会話をしていない、という謎の記録を更新中だ。

意外とこの状況は珍しいのかな、とも思う。家族がいる人なら母語でも話すだろうし、まあまあな規模の都市にいれば自然と日本人の友達もできるはずだ。

コロナ前までは大学に日本人留学生がいたが、おそらく去年から日本は留学に渡航制限がかかった。

フィンランドの7万人規模の街だからこその状況でもある。



家族や友人とは電話でたまに話すし、仕事では日本語のやりとりもさせていただいる。もちろん日本の映像メディアは沢山見るから、日本語を話せなくなることはなく、違和感も特にない。

ただ、よく考えたら人生で初めての経験だ。脳に何かしらの変化が起きていそうで興味深い。

例えば、目上の人と乾杯するときに下からグラスをぶつけるスキルは、僕の身体からは抜け落ちてしまった可能性が高い。

あとは何だ、「鬼滅の刃」が何なのか未だによくわからない(それはそこまで興味がないだけである。プロ野球キャンプのニュースは毎日見ているのだから)。

何はともあれ、インターネットで親しい人とのコミュニケーション、仕事、NetflixやYoutubeの視聴がどこにいても可能な時代で良かった。

日本をそこまで遠くに感じないし、逆に良い距離感(?)なのだ。

これからもしばらくはフィンランドにいる。

今後、この特殊環境で自分の思考やアイデンティティはさらにどう変わっていくのか。しばらくこの面白い実験が続く。