長い長いフィンランドの冬では、室内で過ごす時間が自然と長くなる。
コーヒーやスイーツ、サウナなど、そうした時間を充実して過ごす方法が数多く文化として発達しきたようですが、キャンドルもまたその1つと言えるでしょう。
優しい灯りでリラックス
多くのフィンランド人が、家では少し明るすぎる白熱電球の光を落とし、暖色の間接照明やキャンドルを用いて、リラックスタイムを過ごします。
クリスマスなどのホリデイはもちろん、普通の日、気分によっては夏だって、朝だって、部屋の雰囲気を演出したいときはキャンドルに火を灯します。
世界を見てみると、ヨーロッパ全体でのキャンドル消費量は群を抜いて圧倒的に多いですが、さらにその中でも、フィンランドを含む北欧諸国での割合が非常に高いようですね。
日本でも北欧文化が好きな人なら、もうきっと耳に定着しているであろう “Hygge (ヒュッゲ)” (「居心地の良い空間・時間」といった意味を表すデンマーク語)にも、キャンドルの灯し火は欠かせないと言います。

また、不規則に揺らぐキャンドルの炎は、自然界に特有の「1/f ゆらぎ」のリズムを刻んでおり、人間の心にその暖かな色と共に安心感を与える効果があります。
「1/fゆらぎ」については、森林浴について書いたこちらの記事で詳しく紹介しています。
+αの幸せをもたらしてくれる
フィンランドでは、普通のそんなに大きくないスーパーでもキャンドルコーナーは必ずあり、年中通して売られているほど、キャンドルが生活に浸透しています。
動画で紹介されているような工房で、職人さんによって丁寧に作られたアロマキャンドルを、たまには買ってみるのも良いかもしれません。
部屋でゆっくりと読書をするときや、家族みんなで食卓を囲むときなど、どんなシチュエーションでもキャンドルの灯りは、その時間をさらに特別なものにしてくれるでしょう。
気分や目的によって形や匂いを変えてみるのも楽しいです。
昔むかし、焚き火に変わるイノベーションとして発達し、石油ランプが登場する前は一時代の “照明器具” としての役割を担っていた「ろうそく」。
現代ではどこでも電気が当たり前に通り、「部屋を明るくする」というその役割で、ろうそくが必要とされることはもうないでしょう。
しかし、世界のアロマキャンドル市場は年々拡大の一途を辿っています。
これはつまり、キャンドル(ろうそく)は “明かり” としてではなく “灯り” として人々に豊かな時間、あるいは意味のある時間を与え、これからも必要とされ続けるということでしょう。
たまには、キャンドルの優しい灯りと共に素敵な夜をお過ごしくださいね。