晴れの日のような爽やかな気持ちになるのはちょっと難しいけど、雨の日には雨の日の良さがある。
フィンランド(Joensuuエリア)では、12月に入ってから雪の降る日が増えました。
vol1・vol2に続いて、今回は「雨と日本」というテーマで書いてみます。

日本と雨の長い付き合い
日本は世界的に見ても雨が多い国。
他のアジア地域と同じく、モンスーン(季節風)による雨季を利用した水田稲作によって、遠い先祖の時代から日本人はお米を主食としてきました。
また、その温暖湿潤な気候は木の成長にはもってこい。
国土面積の約70%が森林に覆われており、日本は世界トップレベルの森林国。北海道から沖縄まで、多種多様な森林に覆われ、日本は生物の多様性に富んだ国でもあります。
「恵みの雨」という言葉の通り、雨は自然環境を豊かにし、日本人の生活を支えてきました。
でも一方で、雨は台風や豪雨といった「脅威」にもなり、人々の悩みの種でもあります。
日本に住む限り、雨とはこれからも上手く付き合って行く必要がありそうです。
日本語による美しい雨の描写
日本人がはるか昔の時代から、雨と密接に関わってきたことは、日本語が示しています。
ありとあらゆる状況に応じた “雨” を表現する言葉のなんて多いことか。
世界の言語の中でも、雨の描写の細かさで日本語の右に出る言語はありません。
霙(みぞれ)、霰(あられ)、雹(ひょう)、霧(きり)。
「小雨」、「長雨」のように、雨の降り方をストレートに表す表現や、五月雨のように時期によって特徴的な雨に名前がついているもの。
「梅雨」や「時雨」といった、字面だけではわからないが、季節的な雨を連想させる美しい季語。
「土砂降り」、「ずぶ濡れ」、「しとしと」。何かに例えたり、音で表現してみたり。
「狐の嫁入り」に至っては、どうしてそれが「天気雨」を表すと分かるでしょうか。
他にも「雨足」と生き物みたくしてしまう言い方など、「雨言葉」のバリエーションには際限がありません。
いつの時代か誰なのかも知りませんが、数々の雨言葉を生み出した方々は、きっと外で降る雨を眺めながら、その違いを敏感に感じ取っていたのでしょう。
次の雨の日は、ゆっくりお茶でも飲みながら、いつもより少しだけ天気に意識を向け、歌人の気持ちを味わうのもいいかもしれません。
Have a good rainy day!

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