フィンランドに住み始めて半年近く経ち、基本的な種類のサウナには一通り入りました。(一般家庭、フラット、ホテル、公衆、コテージなど。)
家の近くの公衆サウナの年間会員にもなり、すっかり僕も“サウナー”です。
フィンランド式に馴れ親しみ、日々ととのえていますが、フィンランドのサウナには、改めて日本人視点に立ち返ると笑っちゃうようなことがいくつかあります。
今回はそのユニークな点をいくつかご紹介します。
※サウナの写真はそんなにありません。非常にプライベートな空間なのでご承知おきください。
アイススイミング。水風呂は真冬の湖。
こんな話を聞いたことがありますか。
「フィンランドでは真冬にサウナで体を火照らせた後、凍った湖に飛び込む。」
こっちに来る前に僕もこの噂を聞きつけ「いやいや、心臓止まっちゃうでしょ」と思いました。「さすがに一部の物好きがやるだけのものだろう」と。
こっちに来てわかったことを話します。
小さな女の子からおじいさんまで、全員アイススイマーです笑
僕が通う公衆サウナでは、20人くらい入れるサウナ小屋が2つあり、サウナの前に湖が広がっています。湖にまっすぐ伸びた橋の先に階段がいくつかあり、そこから入水します。

12月の今、湖全体は凍り、雪をかぶって真っ白け。
橋の先の部分は水中でお湯を出しているので、上手く円形にプールのようになっています。温度計で水温表示が出ているのですが、大体いつも0〜1℃です。
アイススイミングと言っても、ほとんどの人は少し階段から離れるくらいで、10秒も身体を浸けたら帰って来ます。でも、やはりツワモノはいて、彼らは階段から離れたところまで行って、空を見上げたりしています。
雪の上に裸で寝転がる。魚拓ならぬ人拓で遊ぶ。
これはアイススイミングの進化系です。
友人達と公衆サウナへ行くときは、いつもふざけてやります。
また、友人のおうちのサウナに入れてもらった時は、庭に積もった雪に寝転がることで、アイススイミングと同じ効果を得ると言っていました笑
まだ誰も足を踏み入れてない、新品の雪のベッドに寝転がる快感はたまりません。
人型に跡をつけるしょうもない遊びはとっても楽しいです。
懸垂用のバーがある。インターバルに筋トレ。
僕の通う公衆サウナにあります。
サウナを出たベンチのところで、天井から懸垂用のバーが2つぶら下がっており、身体の熱を冷ますときに筋トレしている人がいます(なんでだよ笑)。
みんなマイボトル持参。エコだから、とかではなく。
これは、サウナに限った話ではないですが、フィンランドでは水道の水が美味しいこともあり、マイボトルに水を汲むのは当たり前です。
環境配慮ももちろんありますが、単純に文化として、マイボトルを持つことが社会に浸透しきっています。
サウナの外にみんな並べて置いていて、週末など混んでいる時間帯には「マイボトル見本市」みたいに、ぶわーっと並んでいます。マイボトルなら自分のやつが一目瞭然で、間違うこともありません。
フィンランドにおけるペットボトルのあり方は、かなり日本と違っていて、この辺はもう少し詳しくなってからまとめたいと思っているところです。
80℃の部屋で乾杯。一口目以降はちょっとぬるい。
「風呂上がりのビール」ほど、最高なものはないですよね。でも、「風呂の中でビール」はあんまり日本でする人いないと思います。
フィンランド人は「風呂上がり」まで待ちません。
僕の通う公衆サウナではアルコールの持ち込みが禁止されていますが、家やフラットのサウナなど、割と自由なところでは、サウナ内でビールやロンケロを軽く飲みながら友達と語り合う時間を楽しむ人は多いです。

サウナにいる時間が長いので完全に「上がる」まで待てないことや、サウナはコミュニケーション要素も強いことなどが、この慣習の理由かもしれません。
初めてやってみた時のこと。サウナで1回身体を温め、2回目のサウナでキンキンのロンケロを口にした時、その旨さに思わず納得しました。
サウナは通常80℃くらいに保たれているので、飲み物は当然どんどんぬるくなっていく点は否めません。
タオル一枚巻いてバルコニーでくつろぐ。歩行者や車が前を通る。
温泉なら露天風呂で温まった後、半身上がったり、ベンチに座ったりして身体を冷ますあの感覚と同じで、「サウナと屋外の往復」はフィンランドサウナの基本です。
今住んでいるフラットの一階に共同サウナがあり、そこには更衣室から外に直接出て涼めるスペースがあるのですが、そこは道路に直接面しています。
日本なら文化的に、もしくは設計的にあり得ないことだと思うので、これまた面白いです。
タオル一枚しか巻いてない僕の目の前を、ベビーカーを押したお母さんとかが平気で通るんですから笑

以上、ここで紹介した行いは、フィンランドに来てから知った「普通のこと」です。
「当たり前」とか「あり得ない」なんて、所詮その人が住む “村” でしか通用しないことを、この広い世界はいつも教えてくれます。
参照記事
VisitFinland.com