WWOOFとは
WWOOF(Worldwide Opportunities on Organic Farms)は、有機農家で働く体験をしてみたい人と有機農家を繋ぐNGOです。
信頼に基づいたサステナブルな社会の実現を目的に、1971年にロンドンで設立され、その後あらゆる国に取り組みは広がり、文化的かつ教育的な体験を振興しています。
設立以来、世界中に取り組みは広がっており、おそらくほとんど全ての国に登録ホスト(農家さん)がいます。知らない人も多いですが、もちろん日本にも多く登録されている農家さんがいます。

ボランティア(WWOOFer)として働く場合、その期間中はホスト(農家)と共に生活をし、日々の仕事を手伝いながら、農家としての暮らしを体験することができます。
簡単に言うと、農作業をして働く代わりに、ステイ中の寝る場所とご飯を提供してもらえるという仕組みです。
もちろん真面目に働くんですが、働くといっても、WWOOFの理念に共感された農家さんがホストとして登録していて、ファームステイを通して有機農業について学べる、という側面があるので、Win-win、むしろ僕はWWOOFerがWinなとっても良い仕組みだなあ、と感じます。
ホスト(農家さん)、WWOOFer(ボランティア)ともに、別々にサービスを利用するための登録料があり、WWOOFerの1年目の登録料は日本では5,500円。2年目から2,900円、3年目から1,900円と下がっていくようです。登録料でWWOOFが運営される仕組みです。
国によって別々にサイトがあります。
WWOOF JAPANの詳細はこちらをご参照ください。
https://www.wwoofjapan.com/main/index.php?option=com_content&view=article&id=56&Itemid=647&lang=jp
僕は留学中にWWOOF USAに登録し、一度だけファームステイしました。初年度だけ登録してその後は継続していませんが、1回いくだけでもその価値ありです。
僕の場合は、その経験が今の自分の感性を育てる1つのきっかけにもなったし、参加して出会った仲間とその後も関係が続いたりと、沢山のものを得ました。
実際にやってみることが、知らない世界を知る唯一の方法だと思います。
自然や食べ物に興味がある人にはぜひWWOOFをオススメします。
僕がWWOOFerになるまで

ベリンハムという街(アメリカの左上の角)で、友達のアパートに居候していた夏。
毎日朝起きて、晴れならビーチ沿いの公園、雨ならカフェへ行って読書、夜は友達とビール、という夢のような生活をしていた。
しかし、この生活は2週間もせず飽きた。
後半は朝起きたら、その場でNetflix、お腹が空いたら最寄りのPapa Jones(ピザ屋)に電話、という自堕落な生活に変わった。
「このままじゃ人として終わる」と、何か方法を考えていた時に出会ったのが、WWOOFだった。
漠然と、もっと積極的に自然と関わりたい、もっと自然について学びたい、と考えていた頃だった。
早速登録し、近くのエリアでホストを探して直接コンタクト。
3日後から受け入れ可能と言うので、条件を相談して早速行くことに。
「マジか。急にどうした?」と爆笑する友達に、「おれは農家になる」とか訳のわからないことを言い残して、久しぶりに布団を畳んだ。
農業や食と向き合えたファームステイ
場所は少し下って、シアトル郊外。
ホストはシングルマザーの女性。
畑からは少し離れた一軒家に泊めてもらうことになった。
元々ウサギがいた部屋にエアーベッドを敷いてもらって入居。ウサギさん達には悪いけど、部屋を移ってもらった。
すでに3人のWWOOFerがいて、2人は旅人、1人はワシントン州内に住んでいてたまにWWOOFしているらしかった。(滞在中にもう1人増えた。)

翌朝から4時に起きて5時半から雑草を抜きつつ、収穫作業も行う生活が始まった。
7月で気温は30度超。
連日、日差しがかなり強い。午前中が永久に続くんじゃないかと思った。
前日までゴロゴロしていた人間が急に炎天下で農業だ。しんどくない訳がない。
昼過ぎの1時頃で作業を終え、午後は庭でゆっくりビールを飲み、くつろぎながら参加者同士語らうという幸せタイムを過ごし、夜7〜8時には眠りに落ちる生活。
作業日は週5日。休みの日は近くの大きな公園でハイキングしたり、ホストとその友人の家でご飯をご馳走になったり、WWOOFerにならなければできない体験や話が沢山できた。
とある時期に2週間働いたにすぎないが、実際に農家さんと同じリズムで生活・作業をさせてもらえたから見えてきたこと・感じられたこと・考えたことは沢山ある。
農家が高齢化して…食料自給率が…オーガニックは肥料が…みたいな上辺だけの会話をずっとしていても何も生まれないだろう。
自分が毎日いただいている野菜や果物との距離が、それまでよりもグッと縮まったのが良かった。
間違いなく、今の自分の関心やライフスタイルに大きく影響した出来事のうちの1つだ。
あの時、自ら「カウチポテト生活」を断ち、炎天下の畑に向かった自分には今でも感謝したい。


【参照サイト】
WWOOF本部のWebサイト